小さなカフェで
売上をあげるのって、
とっても難しいですよね。
飲食店の売上とは
客単価×席数×回転率
この3つの要素で
成り立ちます。
というのは
おわかり頂けるかと思います。
しかし
小さなカフェでは
どうでしょうか?
客単価も低ければ、
回転率も悪い。

おまけに席数が少ない小さなカフェとなると、売上をどうやってあげるのか…。
ただ、
小さなカフェで
必要な売上を確保するのには
秘訣があります。
それは、
常日頃から売上を
コンスタントにあげる
仕組みづくり
をするという事。
当たり前と
お思いでしょうが、
案外できていない
お店が多いのです。
今回は、
売上の要素となる
客単価・席数・回転率
この3つにおいて
通常営業で売上をあげる方法を、
10年間小さなカフェを
経営してきた私の、
個人的におすすめする
秘訣をご紹介します。
小さなカフェで客単価をあげる為の秘策
客単価とは、
1人のお客さんが
支払う金額の平均
です。

300円支払ったお客さんと、1,200円支払ったお客さんが居たら、客単価は750円ですね。
お金や手間がかかってしまう
席数や回転数を
増やことよりも、
わりと簡単に
変更することができる
客単価。
まずは、
客単価アップで
得られる効果や
客単価のあげ方を
ご紹介します。
小さなカフェでは客単価は底上げ
あなたのお店の
客単価はいくらくらい
でしょうか?
例えば、
300円~1,200円の幅のある
メニュー構成だったとします。
この場合、
単純に1,200円の商品を
増やすことだけが
最善の方法とは言えません。
どちらかというと
小さなカフェでは、
最低単価300円のお客さんを
減らす事の方が
大事といえます。
平均で求める客単価である為、
高単価をさらに上げて
客単価の平均を
上げるのも大事です。
ただ、
底上げをすることでも当然、
客単価をあげることは可能です。
この場合、
しかし、
でも、同じ客単価になりますよね。
ではなぜ
最低単価をあげる事が良いのか。
それは
小さなカフェは、
席数に限りがある
からです。
お客さんが万が一、
低単価で長時間お店に
居座られたら…。

残念ながらカフェでは低単価でも長居して良いというイメージを持たれてしまっています。
安い料金でも
長居する人が
居ることを前提に、
最初から最安値を
上げておく必要があります。
しかし、
ただ単純に
300円の珈琲を
600円にするのは
難しいですよね。
例えば、
などと、
他のメニューと合わせて
注文してもらって、
客単価の底上げをします。
単純に原価が上がると
お思いでしょうが、
原価を考えても
客単価をあげることの方が
大事なんです。

珈琲の原価なんて50円もしない事がほとんどです。
原価率30%の
料理やデザートと、
原価率がさらに低い
ドリンクメニューを
一緒に提供したところで、
原価率が下がることがあっても
上がることはありません。
つまり、
ドリンク類などの
単価の低いメニューは、
最初から単品で頼むより
セットにしたら
お得感を得られる
そんなメニュー構成に
しておきます。
なので、
最初から
安値を付けない
というのが大事ですね。

こだわりの珈琲を提供しているのであれば、珈琲1杯600円の金額でも納得です。
ただ、
闇雲に金額を上げてしまうと、
他のメニューとの
バランスもあるので、
しっかりと全体を見て
決めましょう。
どんなにお世話になった人でも、お客さんとして見た時、あなたのお店にとっては必要ありません。
席数が少ない
小さなお店では
客単価の
「上をあげる」
では無く
「下をあげる」
これを意識して
販売価格をしっかりと
決めておきましょう。
無駄にメニューを増やさない
それから、
客単価が高いからと、
無駄にランチの種類を
増やしても意味は
ありません。
こういった場合、
単純に客単価を
下げます。
1,200円のランチと
900円のオムライスを
頼まれてしまうと、
客単価が1,050円に
なってしまいます。
1,200円のランチ
だけにしておけば、
ランチを食べに
来ているんですから、
1,200円のランチを
間違いなく頼まれて、
客単価を下げません。
そんなお客さんは何度も言いますが、無視してください。
そもそも小さなカフェで
メニューをたくさん増やすのは
ナンセンスです。
仕込みも大変だし、
ロスも増える
可能性もあります。
- 厨房が広い
- 厨房スタッフが充実している
- 席数が多い
- 客数が確保できる
このようなお店なら
メニュー数を増やして
良いかもしれません。

そうでなければメニュー数を増やすのはオーナーのエゴかもしれません。
もちろん
それが目的でお店を
経営しているのであれば
良いのですが、
売上(利益)を考えると
オススメできません。
客単価アップには付加価値
コンビニで
100円で買える珈琲が、
カフェでは
500円前後で
提供されます。
先ほどお話ししたとおり、
メニュー構成を考えると、
という側面もあります。
しかし
それ以外にも、
カフェで500円の
珈琲を提供するということは、
珈琲を飲むこと以外に
価値を見出してあげる
必要があります。
その付加価値こそが
お店を経営する為の、
センスと言えるのかも
しれません。
では
カフェで与えられる
付加価値には
何があるでしょうか?
メッセージで与える付加価値
「自家製」
だったり
「こだわりの」
などといった言葉を
よく見かけると思います。
このようなメッセージが、
その商品の
付加価値となります。
しかし
このような言葉だけでは
ちょっと弱いですよね。
例えば、
「自家製」の“パスタ”だとしたら、
など。
付加価値として与える言葉にも、
文章としてお客さんに伝えることで
より価値を見い出せます。
「こだわりの」珈琲であれば、
厳選して仕入れた豆を自家焙煎し、○℃で一杯いっぱい丁寧にハンドドリップで抽出しています
言葉を足して
ひとつの商品に
文章で伝えると、
奥行きを感じて
もらうことができ、
価値を感じてもらい
やすくなります。
一つの言葉だけでなく、
それに至る
文章(ストーリー)を付け加えると
価値に奥行きや深みが出て、
お客さんが価値として
判断してくれます。

言葉だけでなく、物語(ストーリー性)を作ってあげると、お客さんも興味を持ってくれます
空間で価値を感じてもらう
メッセージ以外にも、
- 丁寧な接客
- 満足できる雰囲気
- 紙カップ(コンビニ珈琲のような)ではなくこだわって選ばれた器
などなど、
空間に対して
付加価値を感じて
もらいやすいのが、
カフェの特徴と
言えます。
空間に関しては、
趣味嗜好がそれぞれ違うので、
あなたのやりたいお店を
とことん実現させましょう。

極端なお店づくりでも構いません。
それに気づいてくれる
お客さんがいたら、
同じように価値として
見出してくれるお客さんは
たくさんいます。
少し大胆でも
自分らしい
お店づくりをする事は、
お店にとって
有益と言えるでしょう。
やめるべき「人」への付加価値
一番インパクトがあり、
即効性のある付加価値とは
「人」です。
あなたとお喋りができるから、
高い珈琲でも
飲みに来てくれる
お客さんもいるでしょう。
しかし、
正直これは
オススメしません。
お店自体にではなく、
あなたに会いに来る事を
目的としたお客さんは、
はっきり言って
売上にはあまり
貢献してもらえません。
そのお客さんのために、
オーナーである
あなたの時間を提供して、
お店にとってどれくらい
価値があるのでしょうか?

他の記事でもお話していますが、個人経営者とは忙しいものです。
ひとりのお客さんの為に
時間を取られるわけには
いきません。
あなたのファンではなく、
お店のファンになってもらう。
この部分を意識して
付加価値を
見出してもらえるような
お店づくりをしましょう。
セット料金は値段を抑えて粗利で考える
通常、
400円で提供している珈琲も、
ランチに付いてくる
食後の珈琲は
200円で構いません。
ご存知でしょうが、
珈琲1杯の原価は
40円程度ですよね。
本来、
単品珈琲は原価率10%
が、
セット料金は原価率20%
になってしまいます。
しかし、この場合は
粗利で考えて良いでしょう。

そもそもドリンク類は原価率の良い商品です
珈琲単体で頼まれると、
客単価が下がってしまうので
400円で販売します。
ランチ自体の
原価率が30%として
原価率の良いドリンクを
セットにすることで、
単品で考えると
売値が減ったように感じますが、
セットで
200円の珈琲を付けることで、
全体の原価率としては
下げることができます。
珈琲 単品400円の場合
- 原価 :40円
- 原価率:10%
- 粗利:360円
ランチ 単品1,200円の場合
- 原価 :360円
- 原価率:30%
- 粗利:840円
ランチ・珈琲 セット1,400円の場合
- 原価:400円
- 原価率:28%
- 粗利:1,000円
客単価も上がりますが、
ここでポイントは
結果的に原価率が下がる
ということです。

当然、単価が上がるので粗利も増えます
先ほどもお話したとおり、
ドリンクに関しては
基本的にセットで
頼んでもらうようにすると
単価を上げやすくなります。
こういった方法で、
粗利を稼ぎます。
粗利を稼ぐというと
変な言い方に
なってしまいますが、
お客さんにとってもお得になる
というWinWinの関係性に
なるような仕組みづくりを
考えるということです。
小さなカフェとは席数が少ないってこと
小さなカフェで
席数を増やす
というのは、
ちょっと
難易度が高めです。

もはや小さなカフェでは無いですね
しかし、
どうしても
席数を増やしたいと
思った時に、
知っておきたい
メリットとデメリットを
ご紹介します。
メリット
まず
メリットとしては、
当然、
席数アップは
単純に売上アップに
繋がります。

満席でお客さんが入りきれない時があった場合、待ってもらえるお客さんばかりではないですよね。
満席で入れずに
諦めるお客さんが、
席数が増えた分だけ
減るので、
その日の売上は
確実に上がります。
席数に余裕があれば、
お客さんが
帰った後の片付けも
急いで行う必要も
ないでしょう。
待つ時間が
無くなれば、
お客さんも安心して
お店に来やすくなるので、
来店動機に繋がる
可能性もあります。
しかし
カフェという業態は
何度も回転するような
業態ではありませんので、
席数を増やすことの
意味としては大きいと
いえるかもしれません。
デメリット
どうやって席数を
増やすかによって、
デメリットの内容も
変わってきます。
例えば、
- 狭いながらに席数だけを増やす
- 厨房の一部を客席にする
- テラス席を作る
こういった場合は、
費用はあまり
掛かりませんが、
いろいろと
工夫が必要ですね。
しかし、
以下のようにして
席数を増やす場合は
注意が必要です。
- 増築する
- 移転する
- 隣の物件が空いたから店自体を広くする
などなど、
このような
席数の増やし方には、
設備投資や
その他もろもろと結構な
お金がかかります。
席数を増やす
というのは、
席数を増やす事で
売上に直結します。
しかし
売上だけでなく、
席数と比例して
かかる費用もある
ということを
忘れてはいけません。
- 店舗自体を広くする場合、スタッフの増員による人件費増
- 店舗が広くすることでかかるランニングコスト(家賃・水道光熱費・借入した場合は返済金等)
- 厨房も広くする必要があれば、別で増築費用や設備投資
席数を増やすことで
考えられる費用です。
費用が別で
かかってくる
ということは、
つまり、
必要な売上が
変わってくる
ということです。

席数が増えたその分、集客にもこれまで以上に力を入れる必要があります。
単純に
席数を増やすことで、
得られる売上増と、
かかってくる費用を、
見極めなければなりません。
席数を増やせる
チャンスがあったとしても、
慎重に判断を
できるように、
日頃から
シュミレーション
しておくとよいでしょう。
小さなカフェでも回転率は意識する
カフェと言えば
ゆっくりと
食事やお茶をするところ、
といったイメージを
もったお客さんは
大勢います。
しかし
小さなカフェであれば、
ある程度は
回転率をあげることを
考えなければなりません。
小さなカフェとは
やはり席数が
少ないので、
回転率も
売上をあげる為の、
大変重要な
要素となります。
一番難しい回転率
必要な回転率の
計算の仕方としては
総客数÷席数
という事になります。
少し勘違いしている方も
いらっしゃいますが、
席数が多ければ多いほど
回転率は少なくなります。

当然、席数がたくさん取れるだけの広さのある店舗であれば、その分の家賃などを考えると必要なお客さんの数も増え、回転率が変わってきます。
しかし、
席数が少なければ、
回転率はおのずと
上げる必要があることは
おわかり頂けるでしょう。
客単価の低い
小さなカフェでは、
この回転率は
由々しき問題
とも言えます。
とは言っても、
回転率は絶対に
上げる努力を
しなければなりません。
回転しやすいメニューを考える
ゆっくりと
食事やお茶を
するところ。
この
「ゆっくりと」
といった部分を
無くすには、
どうすれば良いかを
考えてみましょう。
提供時間をかけすぎない
ゆっくりとした時間を
過ごせないような
メニュー。
残念ながら
そんなメニューは
ありません。

はい、お察しのとおり…。
しかし
あえていうならば、
提供時間を
掛けすぎない
メニューです。
回転させないと
いけないのに、
提供時間をかけて
料理を出してしまうと、

回転させたいと思うならば、決して提供時間を掛けすぎない事を意識すべきです
テイクアウトメニューの充実
もうひとつ、
回転率とは
ちょっと違いますが、
結果的に
お客さんの数を
増やす方法として、
テイクアウトメニューの
充実です。
ドリンクでも
フードでも、
テイクアウトメニューを
充実させておくことで、
席数や回転率はもはや
関係ありません。
- 提供時間の早いメニュー
- テイクアウトメニューの充実
この2点の
メニューを意識して、
回転率をあげられる
ようにしましょう。
回転しやすい時間帯を作る
一番回転しやすい
時間帯とは、
ランチタイムです。
ランチを食べに
来るお客さんは、
全員が時間がある
お客さんばかりでは
ありません。
もちろん立地にも
関係しますが、
ランチタイムは比較的、
回転しやすい
時間帯と言えます。
小さなカフェでは
ランチは是非、
やるべきと考えます。

そのランチの提供も素早く、そしてテイクアウトメニュー込で考えましょう。
稼げる時間帯には
貪欲に稼ぎましょう。
通常営業で売上を上げる:まとめ
- 小さなカフェでは客単価をあげるには底上げをする
- 席数を増やすには費用を考え、計画的にやるべき
- 回転率をあげるには、素早く提供しテイクアウトメニューを充実させる
売上をあげる為には、
全部の数字をあげれば
より売上アップに繋がると
お思いでしょうが、
決してそうとも言えません。
客単価3,000円以上するお店で、
どんどん料理が出てきて
お客さんが慌ただしく
回転している様なお店って
想像しづらいですよね。
全ての数字をあげるのではなく、
あなたのお店のコンセプトを考え、
お店に合った方法で
必要な売上を確保する。
このことだけを考えて、
あなたのお店で
参考にできそうなところだけを
参考にしてもらって、
売上アップに繋げてもらえると幸いです。
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